横浜の肛門科なら港北肛門クリニック【ご予約不要】都筑区・港北区・川崎市・青葉区・緑区エリア対応の大腸肛門科/肛門外科
虎の門病院医師ネットワーク会員

痔と大腸内視鏡検査

痔は日常よく見られる疾患です。痛くなったり、血が出てしまったり、腫れものができてしまったりとご自身では見えないこともあって不安に思うことも少なくありません。また、逆になんの症状もないのに大腸内視鏡検査のときに痔があると言われてしまい、悩まれることも多いでしょう。ここでは痔と大腸内視鏡検査について解説します。

大腸内視鏡検査とは何のために行うか?

大腸内視鏡検査は大腸の病気を見つけるために行う検査です。がん、ポリープ、大腸炎などが対象となります。

自覚症状がなくても、検診などの便の検査で便潜血陽性と出てしまうと便に血が混じっていると診断されてしまい、大腸の精密検査を受けるように勧められます。大腸の精密検査では多くは大腸内視鏡検査を行います(できない方はCT検査などを行います)。

この便潜血検査は、大腸がんやポリープが出血しやすいということに基づいた検査です。簡単なために広く行われますが、非常に敏感な検査であるため、大腸に病気がなくても陽性に出てしまうことがよくあります。実際には大腸にポリープが見つかることが多いのですが、それでも約2ー3割程度です。ですから逆に言うと7割くらいの方は何もありません。

この場合に、便潜血陽性の理由を“痔ですね”と言われることがよくあります。もちろん痔も出血することはありますが、痔の出血の多くは肉眼でわかります。痔と言われると非常に気にされる方が多いのですが、基本的に自覚症状のない場合はそれほど問題にはなりません。

ただし、排便の時などに肛門から出血した場合などは痔か大腸かをはっきりさせるために、大腸内視鏡検査はお勧めします。私たち専門医は、肛門からの診察で区別できるケースもありますが、痔の出血であったとしても、大腸に病気がないとは言い切れず、一度大腸を調べておかないと発見が遅れていまうことになりかねません。

痔とは何?

痔とは、いぼ痔(痔核)切れ痔(裂肛)痔瘻の3つがあります。一番多いのはいぼ痔で、外にできる外痔核と中にできる内痔核があります。外痔核は血栓性外痔核とも言われ、血の塊ができて痛みます。内痔核は、中にできる血管の集まり(静脈瘤といいます)で、大きくなったものを言います。裂肛とは、肛門の中にできる傷です。痔瘻は肛門の中から細菌が入って肛門の外が膿んでしまい、そのあとに残った管のことを言います。

痔は何で問題になるの?

痔は“がん”などといった、悪性のものではありません。ただ、痛みや出血の原因になり、症状が繰り返したりして、排便や生活するうえで障害になることがあります。

いぼ痔(外痔核、内痔核)

外痔核は痛みを伴い、肛門の外に、小さい場合は米粒くらいから親指の先くらいに硬い血豆ができます。痛みはい1週間ほどで消えますが、大きかったり、硬い場合は完全に消えるまで1-2か月かかることもあり、違和感は続きます。気になるほどであれば、治療が必要になります。

内痔核は、あまり痛みがなく、便器が真っ赤になるほどに出血したり、肛門から膨らんで出てきます。症状が何もない場合はそのまま気にせずに放置して構いません。症状が続く場合や痛みを伴ってきた場合は治療が必要になります。

切れ痔(裂肛)

症状が出やすく、痛みがあり、出血もみられます。そのままでも自然に治ることもありますが、症状が続く場合は適切に治療しないといけません。

痔瘻

化膿して腫れて痛んでるまで気づかないことも少なくありません。痔ろうは、繰り返し膿んだり、広がるなど悪化する場合があるので、適切に治療をする必要があります。手術による治療が必要という意味では,痔の中では最も重いと言えます。

内視鏡でわかる痔は?

大腸内視鏡検査でわかるのは内痔核のみです。内痔核は自覚症状のない場合は、程度が軽いのであまり心配はいりませんが、一度専門医での診察を受けていただき、正確な診断を受けていただくことをお勧めします。

まとめ

大腸内視鏡検査は大腸の病気を発見するために行う検査です。痔の診断に用いるわけではありませんが、内痔核は内視鏡で見ることができます。内痔核を始め、痔は症状がを重視して治療法を決めます。内視鏡で痔の診断をするわけではないのですが、内視鏡でどのように見えたかは参考になる場合もあります。

痔の指摘を受けて、気になる場合は専門医を受診していただければと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です