大腸内視鏡検査がつらいと言われる要因の一つに、下剤の摂取が挙げられます。
内視鏡で腸内を観察するにあたり、きれいな状態でなければ正確な診断ができません。そこで、下剤の摂取はどのクリニックでも求められます。
大腸内視鏡検査の時に用いる下剤は、一般的に使用されている下剤と違い、特別に「腸管洗浄液」といいます。
腸管洗浄液はいろいろな種類があり、味だけでなく、摂取する量や飲み方も違います。一般的な下剤を補助的に用いる場合もあり、その飲み方はクリニックごとに異なります。
腸管洗浄液は、基本的には2時間以上かけて2リットル程度を摂取しなければなりません。種類によっては前日から摂取するもの、腸管洗浄液の量は少なく、普通の水やお茶などの水分を2リットル飲むというものもあります。
「味が苦手」「そんなにたくさん飲めない」などで、つらいと感じてしまう⽅もいらっしゃるでしょう。
この記事では、大腸内視鏡検査における下剤(腸管洗浄液)の摂取は本当につらいのか、その理由について解説していきます。大腸内視鏡検査の下剤に関して不安や疑問がある方は、チェックしてみてください。
大腸内視鏡検査前に下剤を摂取する理由

大腸内視鏡検査では、腸内にあるポリープや炎症状態を確認するための検査です。
検査前に腸管洗浄液を摂取する理由は、腸内を排泄物のないきれいな状態にし、病変の見落としを防ぐためです。
日本人の死亡原因の上位である大腸がんは、初期の場合ほとんど自覚症状がありません。早期発見するには、定期的な大腸内視鏡検査が有効ですので、検査の正確性がより大切になります。
大腸内がきれいな状態になっているか否かは、正確な検査を実施するためにも、とても重要なポイントといえます。
⼤腸内視鏡検査の下剤はつらいと⾔われる理由

大腸内視鏡検査は、がんだけでなく原因となるポリープや、炎症などの病変を見つけるための検査です。検査中の見落としを防ぎ、正確な判断をするために、腸内を便のないきれいな状態にしておくことが大切です。
検査前に腸内の便を取り除く必要があるため、当日は約2リットルの腸管洗浄液を決められた時間内に飲みます。飲み方は種類によって異なり、味も違います。
ではなぜ、腸管洗浄液がつらいと言われるのか、その理由を3つ紹介します。
- 多くの液体を飲まなければいけない
- 味が苦手である
- 頻繁に排便するのがつらい
多くの液体を飲まなければいけない
かつて腸管洗浄液は、粉あるいは液体を水に溶かして2リットルにして作り、それを2時間以上かけてゆっくり飲んでいました。ただ、味に変化がなく、量が多いので中には飲めない、つらいと感じる方もいらっしゃいます。
指定の量で腸内がきれいになればいいのですが、便秘気味の方などは、規定量を飲んでもなかなか腸内がきれいにならない人もいます。その場合、下剤を追加で摂取したり、前日から飲んだりする必要もありますので、より大変に感じる方もいるでしょう。
最近は、以下のように腸管洗浄液の選択肢も増えてきました。
- 錠剤(基本50錠)を普通の水やお茶で飲む
- 粉をコップ1杯の水に溶かして飲んだ後で水やお茶など通常の水分を2リットルくらい飲む
- 先に原液を飲んで後から通常の水分を2リットル飲む
腸内の便の貯まり方は人により異なるため、腸管洗浄液の効き方も違ってきます。
腸管洗浄液の効きをよくするために前もって一般的な下剤を数日間、あるいは前夜に飲む、数日前から食事を制限(基本的には消化のいいものに)することも効果的です。場合によっては、2リットル必要でないこともあります。
自分に合った洗浄液が見つかれば一番いいですが、前もって下剤を飲んだり、食事制限したりすることで、つらい洗浄液の服用を少し減らすことができるかもしれません。
味が苦手である
下剤がつらいことの一つに、味がおいしくないという理由もあげられます。
自分にあった味のものを見つけられればいいですが、飴やキャンデーなどで味を整えながら飲むのも一つです。
頻繁に排便するのがつらい
腸管洗浄液が効いてくると最初は硬めに出ていた便が、徐々に柔らかくなり、透き通った液体になって排泄されるようになります。
これで、腸内の便が全部出て、きれいになったということになります。5〜10回ほど排便しますから、これもつらいと感じる方もいらっしゃいます。
大腸内視鏡検査前の下剤・腸管洗浄液のつらさを軽減する食事のポイント

大腸内視鏡検査を実施する前に下剤の摂取は欠かせません。
とはいえ、つらいと思って、なかなか踏み出せない方もいるでしょう。
そこで少しでもつらさを軽減するために、食事のポイントを4つ紹介します。
- 消化にいいものを摂取する
- 食物繊維を多く含む食べ物は摂取しない
- 脂肪分の多い食べ物は摂取しない
- 食べ過ぎない
消化にいいものを摂取する
下剤の効果を高めるために、検査の2〜3日前から消化のいい食べ物を摂取しましょう。消化が悪いと身体の中に残りやすく、便秘になる可能性があります。
消化にいい主な食べ物は、以下に挙げました。
- 素うどん
- 食パン
- お粥
- 豆腐
- じゃがいも
- 鶏ささみ
- 白身魚
- 卵焼き
- バナナ
上記のいずれもスーパーで手に入る食材です。検査前日の献立などに取り入れてみましょう。
消化のいい食べ物の摂取は、下剤による身体への負担軽減にもつながります。
食物繊維を多く含む食べ物は摂取しない
食物繊維を多く含む食べ物は、消化されにくく腸に残りやすいため、検査前の食事には向きません。
一般的に食物繊維を多く含む食材は、野菜や果物全般、豆類、きのこ類、海藻などになります。
また玄米やそば、胚芽系のパンなどは、食物繊維を多く含んでいるため、検査が近くなってきてからの摂取は控えましょう。
脂肪分の多い食べ物は摂取しない
オリープオイルを下剤として使用するケースはあります。
ただ、一般的に脂質は、消化に時間がかかるため、検査の前⽇に摂取しないようにしてください。
特に、脂肪分の多いお肉の部位やソーセージ、ベーコンなどの加工肉も避けた方がいいでしょう。その他、脂肪分の多いホッケや鯛などの魚も控えることをおすすめします。
なお、検査前の食事は油を使わないようにし、脂肪分のある⾷材を⾷べる場合には、蒸したり煮たりして、できるだけ油分を減らしていただくのがポイントです。
食べ過ぎない
消化にいいものだからといって、検査前日に食べ過ぎてもいけません。
食物繊維や脂質を避けた食事内容でも、たくさん食べてしまうと消化に時間がかかってしまいます。
検査前日の食事は、普段の8割くらいの量にしておくといいでしょう。
つらさを緩和できる大腸内視鏡検査なら港北肛門クリニック

港北肛門クリニックは、横浜の大腸肛門専門クリニックです。
院長をはじめ検査を担当する医師は、大腸や肛門の専門医です。外科学会や消化器外科学会、大腸肛門病学会、消化器内視鏡学会など数多くの専門医資格を有しています。
港北肛門クリニックは、検査や⼿術の実績が豊富で、年間に⼤腸内視鏡検査は約2,500件、内視鏡的ポリープ切除は約600件です。
医師だけでなくスタッフも大腸内視鏡検査のことを熟知しているので、できるかぎり不安なくリラックスして検査を受けていただけるように努めています。
⼤腸内視鏡検査では、便秘がひどい⽅や、腸管洗浄液が飲めない⽅には個別に対応を⾏っています。
便秘がひどい場合、検査当⽇の腸管洗浄液の摂取だけでは腸内がきれいにならず、時間がかかることも珍しくありません。そこで港北肛⾨クリニックでは、事前の相談で、便秘の程度に合わせた⾷事指導や下剤の処⽅などを⾏っています。
当⽇の2リットルの腸管洗浄液摂取がどうしても難しい⽅も、前もって相談いただくことで、つらさを軽減することができます。
腸管洗浄液や下剤の不安な⽅は、⼤腸内視鏡検査はぜひ経験豊富な専⾨医が担当する港北肛門クリニックにお任せください。
大腸内視鏡検査の下剤に関するよくある質問

それでは、大腸内視鏡検査の下剤に関するよくある質問を紹介します。
便秘症がひどいのですが、前日に下剤を飲むだけで大丈夫でしょうか?
便秘がひどい方の場合、当日摂取する下剤だけでは腸内がきれいにならないことがあります。便通気味の方は、事前に検査を受けるクリニックに相談するのがおすすめです。
対応方法はクリニックにもよりますが、事前に相談しておくことで、数日前から下剤の内服を始めたり、早めに検査食に切り替えたりすることにできます。
これらの対応をしても、検査当⽇腸がきれいになりにくい場合は、追加で下剤を摂取したり、浣腸などの処置を⾏った上で大腸内視鏡検査の実施も可能となります。
どうしても下剤・腸管洗浄液が飲めない場合も検査を受けられますか?
大腸内視鏡検査の正確性を高めるためにも、腸管洗浄液の服用は欠かせません。とはいえ、どうしても飲めない方もいるでしょう。
腸管洗浄液もいろいろな種類がでています。自分にあった飲み方や味のものを選べるようになってきました。
どれも全く飲めない場合は、検査の数日前から食事を制限し、一般の下剤を多めに使って、検査当日には何回か浣腸や洗腸を行うことで、腸内をある程度きれいにすることはできます。ただ、準備にはかなり時間がかかってしまいます。
まとめ:大腸内視鏡検査や下剤のつらさを少しでも緩和できる医療機関を選ぼう
大腸内視鏡検査を正確に行うためには、腸をきれいな状態にしておくことが何より大切です。
⼤腸内視鏡検査を正確に⾏うためには、腸をきれいな状態にしておくことが何より⼤切です。しかし、検査前に腸管洗浄液や下剤を飲んで、大変!と思われる方も多いでしょう。過去に飲めなかったという場合もあると思います。
特に、初めて⼤腸内視鏡検査を受ける⽅にとっては、不安なことばかりでしょう。
港北肛⾨クリニックでは、患者⼀⼈ひとりと親⾝に話し合い状態を確認しながら、その方に合った腸管洗浄液や下剤を選択しています。
大腸内視鏡検査前の下剤がつらいと不安でしたら、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。