大腸内視鏡検査(大腸カメラ)は、大腸のポリープやがんなどの病気を発見するために重要な検査です。しかし、食事制限もしないといけないし大変!と、検査を受けるのをためらう方も多いと思います。より気楽に検査を受けていただくために、検査前の食事についてわかりやすく解説します。
結論:前日まではバナナなどを摂取しても全く問題ありません
大腸内視鏡検査は、大腸の病気を発見するために重要な検査ですが、便があると正確な検査が行えません。腸内をきれいにするために、腸管洗浄液という特殊な薬を飲んで便を全部だす必要があります。腸管洗浄液の効果をよくするためにも腸内の便の量は少ない方がよく、そのために食事制限をするように指示されるのですが、それほど神経質になることはありません。食べすぎなければバナナを摂取しても構いません。さまざまサイトで詳しくすぎる解説がなされていますが、基本だけおさえておけば、ほぼ何を食べても問題はありません。
検査前は何を食べたらいいのでしょうか?
本来はあまり食事制限せずに、検査を行うことが理想です
腸内にたまっている便を出すために、検査当日(薬によっては前日から)腸管洗浄液を飲みます。腸内にたまっている便の量はかなり個人差がありますから、腸管洗浄液の効き方にも差があります。普段から便通がいい人に比べ、便秘っぽい方は腸に多くの便が残っています。便の量を減らしたほうが腸管洗浄液の効きがいいということから、食事制限が必要ということになります。
検査の前に使用する腸管洗浄液は、通常の下剤と違い腹痛は起きません。効きがいいため、通常の下剤のように前日から一晩かけて出すと言うのではなく、検査当日内服します。内服後1時間くらいしてから効いてきて、それから2-3時間で腸内の便を全部出すことができます。
ただ腸管洗浄液は、腸を強く刺激して下痢を起こすというものではなく、便を溶かして洗い流すイメージです。ですから、腸管洗浄液の弱点は、かみ砕けていない、野菜、海藻、きのこ、果物などのかけら、豆、種などは、残渣としてそのまま腸内に置いてきてしまいます。一般的には2-3日前から(特に前日)あまり摂取しないほうがいいのは、かみ砕きにくい野菜、海藻、きのこ類、豆類、果物(特に種の多いもの)などです。しかし、少しくらいの残渣は検査には支障はありません。少量食べるのであれば、大きな問題にはなりませんので神経質になりすぎる必要はないのです。
念のために前もって下剤を使うこともありますが、腸管洗浄液を規定通りにしっかり飲みさえすれば、ほとんどの場合検査の準備は完了します。
気楽に検査を受けて下さい。
検査を受けるというだけで、何か病気が見つからないか不安になってしまうものです。何もなければ安心、見つかっても早い段階であれば、大きな手術をせずに治すことができるわけです。大腸内視鏡検査=大変な検査というイメージをなくして、少しでも気楽に検査を受けていただきたいと考えています。
腸管洗浄液が普及し、前日の下剤の使用や食事制限も減ってきました。しかし、今でもすべての方に画一的に多量の下剤を出し、強い食事制限を指示しているケースも散見されます。排便状態は個人差がありますから、個々に下剤の使用とか食事制限について判断されるべきものです。
検査は本来あまり体に負担をかけたくないものです。食事制限などせずに行えればいいのですが、大腸の検査では便を出すことが必要となってしまいます。腸管洗浄液も改良され飲みやすくなってきました。しかし腸管洗浄液を飲めない、飲む量をできるだけ少なくしたいと言う方は、前もって多めに下剤を飲むとか、食事制限を強くするなどの方法をとらなければなりません。逆に食事制限を全くしたくないということならば、普通に食事して念のために前夜に下剤を使用するなどの方法もあります。
港北肛門クリニックでは、個別に対応いたしますので、お気軽にご相談ください。