精度の高い大腸内視鏡検査を実施するには、腸内に便や便かすが残っていない状態にしなければなりません。腸内に便や便かすが多く残っていると、小さいポリープなどの病変を見落とす原因になります。
そこでこの記事では、便が残っていると検査が正確に出来ない理由や、検査前に腸内に便を残さないための対策についても解説していきます。特に、大腸内視鏡検査が初めてで不安な方は、ぜひ参考にしてみてください。
大腸内視鏡検査は便が残ったら正確にできない

大腸内視鏡検査では、腸内に便が残っていると正確な検査結果が得られない場合があります。腸内の洗浄が不十分になり、便かすが残っていることで、小さなポリープを見落としたり、病変を発見しにくくなったりします。
特に、初期の大腸がんの場合、自覚症状がほとんどありません。早期発見し、適切に治療するには、大腸内視鏡検査で発見するのが有効な方法のひとつです。
大腸がん以外にも、ポリープや潰瘍性大腸炎、クローン病など、腸の疾患にはさまざまな種類があります。
腸内を直接観察して処置できる大腸内視鏡検査は、重要な検査となります。
検査の精度を下げないためにも、検査前の対策をしっかり行うことが大切です。
大腸内視鏡検査は固形便や便かすが残っていなければ可能な場合がある

下剤を摂取し排便を済ませても、残便感が残ることで、不安に感じる方もいるでしょう。
医師の判断にもよりますが、固形便や便かすが腸内に多く残っていなければ、検査可能な場合もあります。
一方、下剤や腸管洗浄液の摂取後もなかなか便かすや固形便がなくならない場合は、検査を受けるクリニックへ連絡してください。現状に合わせた追加の対応方法を検討しますので、状況に合わせて連絡をすることが大切です。
大腸内視鏡検査は便が残ったら腸管洗浄液を追加で飲む必要がある
大腸内視鏡検査の際に、腸内に便が残っていると正確な検査ができません。適切に検査を受けるためにも、検査前に腸内をきれいな状態にしておくことが大切です。
便秘の方や、下剤の効きが悪く便がなかなか無くならない方は、当日追加で腸管洗浄液を飲む必要があります。当日追加で腸管洗浄液を飲む場合、検査を開始するまでにさらに時間かかる可能性もあります。
どうしても腸管洗浄液が飲めない場合は、洗腸(温水を注入して腸内を洗う)を繰り返して腸内をきれいにすることもあります。検査当日スムーズに腸内をきれいにするために、便通の状態に合わせて前日は検査食に切り替えたり、下剤の内服をしたりできます。
大腸内視鏡検査で腸内に便を残さないための対策

正確な検査を受けるためには、腸内に固形便や便かすがない状態にしておくことが大切です。ここでは、腸内に便を残さないために必要な5つの対策について解説していきます。
- 検査前日は軽めの食事で済ませる
- 食物繊維が多く含まれる食べ物は避ける
- 便秘なら病院・医師へ事前に相談しておく
日頃から便通がよい方であれば、前日は軽めの食事にし、当日は下剤摂取だけで腸内が綺麗になる方もいるでしょう。
ただし、普段から便秘などで毎日排便がない場合、腸内に便を残さないための対策をしっかりと取ることをおすすめします。
検査前日は軽めの食事で済ませる
検査前日の食事量は、普段より軽めにしましょう。前日に食べ過ぎてしまうことで、消化に時間がかかり、便が腸内に残りやすくなります。
食事の内容も、ただ全体量を減らすだけではあまり意味がありません。食事の量を軽めに抑えつつ、消化に良い物を食べることが大切です。
検査前日におすすめの消化に良い食べ物は、以下の通りです。
- 消化の良いご飯類(白米、お粥、餅など)
- 消化の良い麺類(素うどん・そうめん、ビーフンなど)
- 食パン
- 豆腐、豆乳、たまご、具なし茶碗蒸しやゼリー
- 鳥ささみ
- 白身魚
- 一部の野菜果物(じゃがいも・バナナ、りんごなど)※皮・種はNG
- 具のない味噌汁・スープ
- 透明度の高い飲み物(水、お茶、スポーツドリンク)
前日は3食とも、上記のような消化に良い物を使ったメニューをおすすめします。おかずのメインとなるお肉やお魚は、脂肪分の少ない部位を選び、いつもより少なめの量を心がけましょう。
なお、検査前日の21時以降は水分補給のみにして、早めに身体を休めるようにしてください。
食物繊維が多く含まれる食べ物は避ける
一般的に、食物繊維を含む食べ物は、健康や美容に良いと言われ注目されています。
しかし、食物繊維が含まれる食材は、少量でも消化しにくいため検査前には注意が必要です。
特に、食物繊維が多く含まれる食べ物を下記にまとめました。
- 野菜全般
- 豆類
- 海藻
- きのこ類
- こんにゃく
- 果物
- 種子(ごまなど)
こうした消化しづらい食べ物は、検査の前日に摂取しないように注意してください。
便秘なら病院・医師へ事前に相談しておく
便秘の方や、過去に受けた大腸内視鏡検査で残便が指摘された方などは、病院や医師へ相談しておきましょう。
検査前日の下剤や検査食の処方を受けることで、検査当日の腸管洗浄液の効きがよくなり腸内がきれいになりやすくなります。
検査前に腸内が綺麗にならないと、腸管洗浄液の追加摂取や洗腸が必要となり、検査の準備にかかる時間が増えてしまいます。
便秘などで不安がある方は、事前に医師や病院へ相談しておくことで、必要な対策を取れるでしょう。
大腸内視鏡検査で便が残った時でも柔軟に対応できる港北肛門クリニック

港北肛門クリニックは、横浜の大腸肛門専門クリニックです。
院⻑をはじめ検査を担当する医師は、⼤腸肛⾨の専⾨医です。外科学会や消化器外科学会、⼤腸肛⾨病学会、消化器内視鏡学会など数多くの専⾨医 資格を保有しています。
港北肛門クリニックの大腸内視鏡検査は、年間2,500件、その他の手術件数は800件と年間実績が豊富なのも特徴です。患者一人ひとりに寄り添った対応をしますので、不安や心配を感じる必要はありません。
港北肛門クリニックの大腸内視鏡検査では、必要に応じて鎮静剤鎮痛剤も使用しています。また、腸管洗浄液の摂取がどうしても難しい方には、別の対応方法についても相談に乗ってもらえるなど、患者さんに寄り添いケアしている点もポイントです。
ひどい便秘な時や便が残った時でも、対応しています。ぜひ一度、港北肛門クリニックへご相談ください。
まとめ:大腸内視鏡検査時に便を残さないように生活から意識しよう
大腸内視鏡検査は、腸内を内視鏡カメラで直接観察する検査です。検査時に腸内に便かすが多く残っていると、小さいポリープをはじめとする病変を見落としてしまう可能性があります。
精度の高い大腸内視鏡検査を受けるためには、検査前に腸内を綺麗にし、便が残っていない状態にしておくことが大切です。
便が残りにくい腸内にするためには、普段から食生活などを意識しながら、腸内環境を整えていきましょう。