「自分は大腸内視鏡検査を受けた方がいいのか知りたい」
「特に腸が悪いと感じる症状がないけど、受けた方がいい?」
大腸内視鏡検査は、大腸内にポリープやがん、炎症や潰瘍といった異常の有無を調べられる検査です。検査を受けることで異常の早期発見、治療につながります。
ではいったい、どのような人が大腸内視鏡検査を受けたほうがいいのでしょうか。
そこでこの記事では、大腸内視鏡検査を受けた方がいい人の特徴を紹介します。症状の有無に分けて紹介しますので、最後までご覧ください。
大腸内視鏡検査を受けた方がいい人の主な症状

ではまず、どんな症状があるときに大腸内視鏡検査を受けた方がいいのか紹介します。
- 排便時に出血がみられる
- 便秘・下痢が続く
- 粘液便が出る
- 残便感がある
- 下腹部にしこりがある
- 便が細くなったと感じる
- 腹痛、腹部の膨満感、吐き気
- 吐き気
- 体重が減った
もし、該当の症状が続いているなら、検査の受診を検討してください。
排便時に出血がみられる
痔の症状でもあり、痔ならいいかと放置されることもあります。しかし、ちょっと待ってください。大腸からの出血かもしれません。
“前から痔があって時々出血していた、だから今回も痔に違いない”と思いたいのはわかります。でも痔があったとしても、大腸からの出血ではないとはいえないのです。
痔の治療を続け、大腸を検査せずに大腸がんを悪くしたケースは少なからずあります。
大腸から出血する場合は、がんやポリープだけでなく、炎症などのこともあります。
正確に診断して治療につなげるには、まずは大腸内視鏡検査を受けていただく必要があります。
便秘・下痢が続く
便秘や下痢は、多くの方が一度は経験したこともある症状でしょう。ポピュラーな症状のため、ついつい軽視して見過ごしている方も多いと思います。
がんで腸管が狭くなると、便が通過しづらくなり、便秘したり、下痢状の便しか出なくなることがあります。
以前から下痢が多い方は特に注意が必要で、下痢が続くことを異常ととらえず、そのまま放置して時間がたち、病状が悪化するというケースも少なくありません。
便秘も同様で、大腸にあった腫瘍が大きくなり、便が通りにくくなることで、便秘を引き起こしている恐れがあります。慢性的に便秘だと便秘することが当たり前のため、異常ではと気づくのが遅れがちになります。
下痢が続いている場合、腸内の炎症が原因のことも考えられます。
一時的な便秘や下痢ならば問題ありませんが、症状が続いたり、少しでも悪化した場合は一度検査を受けて、症状の原因を確認しておくと安心です。
粘液便が出る
そもそも粘液便とは、腸内で分泌される粘液を多く含んだ便のことです。粘り気がありベタついていて透明のこともあります。
健康な方でも、稀に多少の粘液便が出ることはありますが、量が多かったり、続くようであれば、腸内で異常が起きている可能性があります。
異常があるかないかをはっきりさせるためも、検査を受けておくと安心です。
残便感がある
残便感とは、排便後もお腹がすっきりしないと感じるものです。
基本的に大腸の中に便が残っていると感じるものですが、必ずしも便が原因とは限りません。
腸内にできたポリープやがんのために便が出し切れず便が残っている場合や、炎症のために残便感が起きることがあります。
「排便をしても便意が消えない」「お腹にずっと違和感がある」なら、早めに検査を受けてみてください。
下腹部にしこりを感じる
下腹部にしこりを感じたら、大腸内視鏡検査を受けた方がいいです。
特に、以下のような症状があるなら検査を検討してみてください。
- 仰向けで寝た時に下腹部に硬いものを感じる
- お腹を押すと痛みを感じる
しこりの症状が現れる代表的なものは、大腸がんですが、女性の場合は子宮筋腫や卵巣嚢腫などの婦人科系疾患の可能性も考えられます。
早期に検査を受けた方がいいです。
便が細くなったと感じる
便が細くなる原因には、大腸がんやポリープなどの腸内の腫瘍によるものが考えられます。腫瘍が大きくなってくると、便が通る腸管が狭くなってしまうため、便が自ずと細くなります。
細い便が続くと、残便感がひどくなったり、便秘になりやすくなります。細い便が続いているなら、早めに検査を受けて、早期発見につなげましょう。
腹痛、腹部の膨満感、吐き気
腹痛や膨満感が続く場合には、がんによる通過障害の疑いがあります。
完全に閉塞した場合はおならが出なくなり、腹痛と腹部膨満が強くなります。この状態を腸閉塞、イレウスといい、吐き気も出てきます。
不完全な場合は少しおならは出ます(亜イレウス)。腹痛や腹部膨満感は軽度で、吐き気はあまりありません。
イレウスの状態では、大腸内視鏡検査はできませんが、亜イレウスであれば可能なこともあります。原因の不明な腹痛や腹部の膨満感、吐き気が続くようなら、早めに検査をしてその原因を特定しましょう。
体重が減った
体重が減った時も大腸内視鏡検査を受けた方がいいです。
この記事でいう体重減少とは、6ヶ月の間に意図せず元の体重から5%以上減った場合を指します。
体重減少は大腸がんだけでなく、他の悪性腫瘍全般でみられる症状です。がん細胞の発生により、多くの栄養成分が奪われることで起こります。
消化器系のがんの場合は食欲不振が伴うことが多いですが、原因を確定するためにも検査は必要です。
潰瘍性大腸炎やクローン病など炎症による場合も、腹痛や下痢・粘血便が続き、食事がとれなくなって体重が減ります。10〜20代の若年層に多いという特徴もありますが、この場合も大腸内視鏡検査で診断します。
症状なしでも大腸内視鏡検査を受けた方がいい人

症状がないからといって安心はできません。明確な症状が出ていない場合でも、以下に該当する人は大腸内視鏡検査を定期的に受けることをおすすめします。
- 便潜血検査が陽性だった人
- 家族や親戚が大腸がん・大腸ポリープになったことがある人
- 大腸がんや大腸ポリープの手術歴がある人
- 健診で再検査と言われた人
- 年齢が35歳以上の人
便潜血検査が陽性だった人
健康診断や人間ドックで便を調べて、目に見えない血液の混入を調べる検査が便潜血検査で非常に敏感な検査です。
この検査は、がんやポリープが出血しやすいという性質から、早期発見につなげるのを目的に、簡単なこともあって、一般的に広く行われています。
これで陽性に出た場合は便に血が混ざっているため、がんやポリープが存在している可能性があるということになり、速やかに精密検査、つまり大腸内視鏡検査を受けることを勧められます。
必ずしもがんやポリープが見つかるわけでもなく、炎症や痔のこともあったり、異常がなく原因が特定できないことも少なくありません。
便潜血が陽性だった人の約2%に大腸がんが発見され、約20%の人に大腸ポリープが見つかっているという結果もありますので、早めに検査を受けましょう。
最も問題は、血のでない、がんやポリープがあることで、この便潜血検査ではひっかからないため、見落とされてしまいます。
不安をなくすためにも、いい機会ととらえて大腸内視鏡検査を受けて下さい。
例えば、大腸がんや潰瘍性大腸炎、大腸憩室症、虚血性大腸炎などがあります。大腸の疾病以外にも、排便時に肛門付近にできたいぼ痔や切れ痔が出血した可能性もありますので、早めに検査で原因を特定しておく必要があります。
家族や親戚が大腸がん・大腸ポリープになったことがある人
普段から生活習慣などに気を付けていても、家族や近い親戚に大腸がんや大腸ポリープになった人がいる場合、大腸がんや大腸ポリープが発生する可能性が高い傾向にあります。
大腸がんは、遺伝的要因で罹る可能性がある疾患です。遺伝による大腸がんの場合は、若い年齢でかかるケースもありますので、家族歴などがあるなら定期的に検査を受けましょう。
大腸がん・大腸ポリープの手術歴がある人
ポリープは年齢や性別を問わず、誰でもできる可能性があります。特に、ポリープが一度できた人は、ポリープができやすい体質であると考えられています。
できた大腸ポリープは、年単位で少しずつ大きくなり、その中にはがん化してしまう恐れもあります。
10mm以上のポリープや、がん化しているポリープの既往がある人に関しては、大腸がんのリスクが通常の3倍以上とも言われています。
過去に大腸がんや大腸ポリープが発見され治療した人は、自覚症状がなくても定期的に検査を受けることが大切です。
健診で再検査と言われた人
健康診断で再検査の通知が来た人は、大腸内視鏡検査で確かめましょう。
特にCEAとかCA19-9は大腸がんの腫瘍マーカーで、異常値であれば大腸内視鏡検査を勧められます。
自覚症状がないからといって、自己判断で再検査を受けないのはおすすめできません。健康診断で何らかの異常が見られたなら、症状が出ていない早期疾患の可能性があるということです。
原因がわからないまま放置してしまうと後々に悪化しかねません。問題の早期発見をするためにも検査を受けてみましょう。
年齢が35歳以上の人
年齢が35歳以上の人は、大腸内視鏡検査を検討しましょう。
35歳以上になると、以下のようなさまざまな疾患を患う可能性が高まります。
- 直腸がん
- 結腸がん
- 大腸ポリープ
近年、大腸がんの日本における罹患率は増加傾向にあります。特に大腸がんは、初期段階では自覚症状がほぼありません。初期段階の大腸がんを発見するには、自覚症状がないタイミングで検査を受けるしかありません。
実際、国立がん研究センターによると、2019年時点におけるがん罹患数の順位は大腸が1番多いと公表されました。
疾患の早期発見は、適切な治療につなげることができます。自覚症状がない場合でも、35歳以上になったら定期的に検査を受けておきましょう。
大腸内視鏡検査を受ける人に年齢制限はある?

現在、日本では大腸内視鏡検査を受ける人に年齢制限は設けられていません。近年日本人の大腸がんの罹患率が増加傾向にあり、20代の若い方でも検査を受けておくと安心です。
最近では、高齢の方でも大腸内視鏡検査を受ける人が増えています。75歳以上の方が大腸内視鏡検査を受けることで、大腸がんの発症や大腸がんによる死亡リスクが低下しているとの結果も出ています。
しかしながら、大腸内視鏡検査には少なからずリスクもあるため、高齢者が検査を受ける際には、かかりつけ医や担当医師が連携して、適性を確認した上で受ける必要があるでしょう。
大腸内視鏡検査は毎年がベスト

大腸内視鏡検査結果に異常がなかった場合でも、毎年検査を受けていただくことをおすすめします。
自身に大腸がんの既往歴や大腸ポリープの切除経験があったり、家族や近い親戚に大腸がんや大腸ポリープの既往歴があったりする場合は、特に1年に1度検査を受けるようにしてください。
大腸内視鏡検査の受診なら港北肛門クリニック

港北肛門クリニックは、横浜の大腸肛門専門クリニックです。
院⻑をはじめ検査を担当する医師は、⼤腸肛⾨の専⾨医です。外科学会や消化器外科学会、⼤腸肛⾨病学会、消化器内視鏡学会など数多くの専⾨医 資格を保有しています。
港北肛門クリニックの大腸内視鏡検査は、年間2,500件、その他の手術件数は800件と年間実績が豊富なのも特徴です。
院内はバリアフリーになっているため、小さいお子さんや高齢の方、車椅子の方まで幅広い方が利用しやすい作りになっています。内視鏡室を始めとする洗腸室や病室などは、プライバシーに配慮された作りになっており、リラックスして検査を受けられるクリニックと言えるでしょう。
港北肛門クリニックの大腸内視鏡検査では、必要に応じて鎮痛鎮静剤も使用しています。また、腸管洗浄液の摂取がどうしても難しい方には、別の対応方法についても相談に乗ってもらえるなど、患者さんに寄り添いケアしている点もポイントです。
お腹周りの気になる違和感や痛みなどの症状があるなら、ぜひ一度港北肛門クリニックへご相談ください。
まとめ:大腸内視鏡検査を受けた方がいい人に当てはまるなら受診を検討しよう
「大腸内視鏡検査を受けた方がいい人の症状」に、一つでも当てはまったら、受診を検討しましょう。さらに、大腸がんや大腸ポリープの家族歴や既往歴がある方は、症状がなくても年に1度は検査を受けることをおすすめします。
大腸内視鏡検査は、腸内を直接観察する検査です。初期症状がないと言われる大腸がんをはじめとする、様々な腸の疾患の早期発見に有効な検査です。
定期的な大腸内視鏡検査で、疾患の早期発見や早期治療につなげましょう。