大腸がん・大腸ポリープとは?症状の特徴・治療方法について解説|港北肛門クリニック
大腸がん・大腸ポリープ
日本では、大腸がんは増加傾向にあり、2010年の人口動態統計で、女性のがんの死亡率の1位、
男性では3位を占めております。
大腸ポリープとがん
ポリープはその形から有茎性、亜有茎性、広基性に分類されます。
ポリープ切除
がんではないポリープは、内視鏡でポリープを切除します。(内視鏡的大腸ポリープ切除術)。
しかし、一部にがんがあったとしても、がんが粘膜内にとどまっていれば、同様に内視鏡での切除が可能です。
ポリープは、形や大きさも様々です。
切除するにあたり、とりきるためにはどこまでがポリープであるかをしっかり把握する必要があります。
また、形や表面構造、動きなどからがんであるかどうか、もしがんであった場合、内視鏡でとりきれるもの(粘膜内がん)かどうかを判断します。
きのこのように茎があるタイプ(有茎性)であれば、茎は長いのか短いのか、茎は太いのか細いのかなどが重要です。
茎のないタイプ(広基性)であれば、盛り上っているタイプかあるいはコケのように粘膜を張っているタイプであればどこまでがボリープあるのかその境界を求めることが重要です。
ポリープを切除する場合、一括で全部をとることがベストです。しかしポリープが大きい場合は分割切除をしなければならない場合もあります(EMR:内視鏡的粘膜切除術)。
ポリープ切除の合併症は、切除時・切除後の出血あるいは腸穿孔で、ポリープが大きくなればなるほど、そのリスクは高くなると言えます。20㎜を超える大きなポリープの場合は特に注意が必要で、がんはあるのかないのか、浸潤はしているのかどうか(つまり内視鏡でとりきれるのか)、とった場合、合併症のリスクはどうかなどを考慮したうえで、内視鏡治療を行うかどうかを決めなくてはなりません。
より大きなポリープをとる方法に、専門的な高度の技術と器具を持いて行うESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という技術があります。浅いがんで、幅の広いものが適応になります。
しかし、内視鏡治療にも限界があります。がんが粘膜から粘膜下層に深く根を生やす(浸潤した)ものでは、リンパ節転移の可能性があり、根治性を高めるためにも、内視鏡的な切除よりリンパ節を一緒に切除する腸の切除をした方がより確実な治療と言えます。
大腸がん手術も近年、手術手技や器具の発達とともに、術式が大きく変わりました。今やお腹をあまり切らない腹腔鏡下の手術が中心となり、放射線や抗がん剤などの組み合わせで、できる限り低侵襲の手術を行うようになってきました。当院では、内視鏡治療が困難である方を専門病院に速やかに紹介いたします。
安心して大腸内視鏡検査をお受けいただきたいと思います。
治療について
基本的には切除が必要です。
一部にがん化していても、粘膜内にとどまっていれば、同様に内視鏡で切除可能です。
非常に幅の広いタイプのものやがんが粘膜から深く根を生やす(浸潤した)ものでは、大きくまた深くとる必要がありますが、無理に内視鏡で切除しようとすると、とり残したり、腸の壁に穴が開いたり(穿孔)するリスクも高まるため、腹腔鏡による腸の切除の方がより確実にそして安全に行えます。
腸の切除が必要なポリープおよびがんに対しては、さまざまなデータを下に、その悪性度や広がりを判断し、手術がなされます。